
開業届を出すメリットやデメリットが知りたい!
Webライターの開業届の書き方は難しいの?
Webライターとして活動を始めたものの、開業届を出すべきかどうか迷っている人は多いのではないでしょうか。
実は、事業として継続的に収入を得るつもりなら、開業届の提出は原則として必要です。
この記事では、Webライターが開業届を出すべき判断基準や、具体的なメリット・デメリット、提出方法について初心者にもわかりやすく解説していきます。

提出が必要なケースと不要なケースをしっかり理解しておきましょう。
この記事で分かること
- Webライターが開業届を出すべき判断基準
- Webライターが開業届を出す5つのメリット
- Webライターが開業届を出す4つのデメリット
- Webライターの開業届の作成・提出方法
Webライターは開業届を出すべき?
Webライターが開業届を出すべきか悩む初心者は多いですが、事業として継続するなら提出を推奨します。
Webライターの開業届に関する判断基準は以下のとおりです。
- 継続的な収入を得るなら提出が原則
- Webライターで開業届が必要なケース
- Webライターで開業届が不要なケース
それぞれの基準について、詳しく解説します。
Webライターの始め方は次の記事を参考にしてみてください。
▷ 参考…「フリーランスWebライターのなり方は?年収や仕事内容についても解説」
継続的な収入を得るなら提出が原則
Webライターの開業届は、継続的な収入を得るつもりなら提出が原則です。
所得税法では、事業所得を得る場合、開業から1カ月以内の提出が定められているためです。
提出しなくても罰則はありませんが、税務署に事業開始を知らせる重要な手続きなんですね。
Webライターとして長く稼ぎ続けたいと考えているなら、個人事業主として早めに手続きを済ませておくのがおすすめです。
Webライターで開業届が必要なケース
Webライターで開業届が必要なケースは、節税したい場合です。
特に、青色申告特別控除を利用して最大65万円の控除を受けたい人は、必ず提出しなければなりません。
屋号付きの銀行口座を開設して社会的信用を高めたい人も対象となります。





Webライターで開業届が不要なケース
Webライターで開業届が不要なケースとして、一時的なお小遣い稼ぎが挙げられます。
継続性がなく、単発の案件で終わる場合や、趣味の範囲で記事を書く程度であれば、わざわざ提出する必要はありません。
年間の所得が低く、雑所得として申告する予定の人も、提出の緊急性は低いです。
事業としての実態が伴わない段階では、様子を見ても問題ないでしょう。
Webライターが開業届を出すメリット
Webライターが開業届を出すメリットは、税金面での優遇や社会的信用の獲得など多岐にわたります。
主なメリットは以下の5つです。
- 青色申告特別控除での節税ができる
- 赤字の3年間繰り越しが可能
- 屋号口座による社会的信用の向上する
- 小規模企業共済での退職金積み立てられる
- 保育園入園時の就労証明ができる
ひとつずつ詳しく解説します。
メリット①青色申告特別控除での節税ができる
Webライターが開業届を出すメリットの1つ目は、青色申告特別控除での節税ができる点です。
開業届とあわせて青色申告承認申請書を提出することで、最大65万円の所得控除を受けられます。
基礎控除の48万円と合わせれば、年間113万円までの所得に対して所得税がかかりません。
所得が少ない初心者ライターであっても、手元に残るお金を確実に増やすために、制度を活用しない手はないでしょう。
メリット②赤字の3年間繰り越しが可能
Webライターが開業届を出すメリットとして、赤字の3年間繰り越しが可能な点も挙げられます。
事業を始めたばかりの時期は、パソコン購入などの経費がかさみ、赤字になることも珍しくありません。
青色申告をしていれば、発生した赤字を翌年以降の3年間にわたって繰り越し、将来の黒字と相殺できます。
翌年以降に支払う税金を安く抑えることができるため、事業のリスクを軽減できる制度ですね。
メリット③屋号口座により社会的信用が向上する
Webライターが開業届を出すメリットには、屋号口座により社会的信用が向上するという点もあります。
開業届に屋号を記載すれば、屋号名義で銀行口座を開設できます。
個人名だけの口座よりもクライアントに安心感を与えられ、ビジネスとして活動している姿勢をアピールできるのが利点です。





メリット④小規模企業共済で退職金が積み立てられる
Webライターが開業届を出すメリットの4つ目は、小規模企業共済で退職金を積み立てられることです。
小規模企業共済は、個人事業主が廃業や退職に備えて積み立てを行う制度です。
毎月の掛金は全額が所得控除の対象となるため、将来への備えをしながら現在の税負担を減らすことができます。
会社員のような退職金がないWebライターにとって、自分の身を守るための強力なセーフティネットとなります。
メリット⑤保育園入園時の就労証明ができる
Webライターが開業届を出すメリットの最後は、保育園入園時の就労証明ができる点です。
保育園の入園申し込みには就労証明書が必要ですが、個人事業主の場合は開業届の控えがその代わりとして認められるケースが多くあります。
Webライターとして自宅で働いていても、きちんとした労働実態があることを公的に証明できるため、保活をスムーズに進めたい人にとっては大きな利点です。
Webライターが開業届を出すデメリット
Webライターが開業届を出すデメリットは、主に手続きの手間や制度上の制限に関することです。
知っておくべきWebライターが開業届を出すデメリットは以下の4つです。
- 失業保険が受給できない可能性がある
- 確定申告の手間がある
- 配偶者の扶養から外れるリスクがある
- 会社への副業バレの懸念がある
それぞれの内容と対策について解説します。
デメリット①失業保険が受給できない可能性がある
Webライターが開業届を出すデメリットの1つ目は、失業保険が受給できない可能性があることです。
開業届を提出すると個人事業主として独立したとみなされるため、原則として「失業状態」とは判断されなくなります。
会社を退職して失業給付を受けながら求職活動をする予定の人は、提出のタイミングに注意が必要です。





デメリット②確定申告の手間がある
Webライターが開業届を出すデメリットとして、確定申告の手間がある点も挙げられます。
青色申告で節税メリットを受けるには、日々の取引を記録する帳簿付けや、複式簿記による決算書の作成が必要です。
これまで会社員として年末調整だけで済んでいた人にとっては、大きな負担に感じる可能性があります。
現在は優秀なクラウド会計ソフトがあるため、ツールを活用して効率的に処理する仕組みを整えるのがおすすめです。
デメリット③配偶者の扶養から外れるリスクがある
Webライターが開業届を出すデメリットには、配偶者の扶養から外れるリスクがある点も含まれます。
税法上の扶養は所得額で判定されますが、社会保険の扶養は加入している健康保険組合によって規定が異なります。
「開業届を出している時点で扶養に入れない」とする組合もあるため、注意が必要です。
所得が低くても扶養から外れれば国民健康保険料や年金保険料の支払いが発生するため、事前に配偶者の勤務先に確認してくださいね。
デメリット④会社への副業バレの懸念がある
Webライターが開業届を出すデメリットの4つ目は、会社への副業バレの懸念があることです。
確定申告を行うと、副業分の住民税が本業の給与から天引きされる「特別徴収」になり、金額の変動で会社に知られるリスクが高まります。
回避するには、確定申告書の記入時に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択しましょう。





Webライターの開業届の作成方法
Webライターの開業届の作成方法は、項目ごとに要点を押さえれば決して難しくありません。
作成から提出までのステップは以下の6つです。
- 税務署名などの基本情報
- 職業欄は「文筆業」または「Webライター」
- 屋号の決定(空欄でも可)
- 届出の区分と所得の種類
- 開業日の設定
- 青色申告承認申請書の同時提出
順に解説します。
ステップ①税務署名などの基本情報
Webライターの開業届の作成方法として、まずは税務署名や氏名などの基本情報を記入します。
提出先は、自宅などの納税地を管轄する税務署になり、国税庁のホームページで簡単に検索可能です。
マイナンバーの記載も必要となるため、マイナンバーカードや通知カードを手元に用意してから書き始めるとスムーズに進みます。
ステップ②職業欄は「文筆業」または「Webライター」
Webライターの開業届で迷いやすい職業欄は、「文筆業」または「Webライター」と記載するのが一般的です。
「文筆業」として届け出ると、将来的に所得が増えた際に課される個人事業税が非課税になる可能性があります。





ステップ③屋号の決定(空欄でも可)
Webライターの開業届において、屋号の決定は必須ではなく空欄でも提出可能です。
屋号とはお店の名前のようなもので、決めておけば屋号付きの銀行口座を開設できるメリットがあります。
まだ決まっていない場合や、本名で活動する予定の人は無理に記入する必要はなく、後から決まったタイミングで申告することもできます。
ステップ④届出の区分と所得の種類
Webライターの開業届の区分は「開業」、所得の種類は「事業所得」を選択します。
「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」という欄では、「開業」を丸で囲みましょう。
所得の種類に関しては、継続的に収入を得るWebライターであれば「事業(農業)所得」を選び、そのほかの項目は該当しない限り空欄で問題ありません。
ステップ⑤開業日の設定
Webライターの開業届は、事業を開始した事実上の日付を開業日として設定します。
原則として開業から1カ月以内の提出が求められていますが、多少過ぎてしまっても罰則はなく受理されることがほとんどです。
「初めて報酬が発生した日」や「クラウドソーシングに登録した日」など、自分が事業をスタートさせたと認識している日付を記入してください。
ステップ⑥青色申告承認申請書の同時提出
Webライターの開業届の作成方法最後は、青色申告承認申請書を同時に提出するかどうかの確認です。
節税効果の高い青色申告を利用したい場合は、開業届の下部にある「青色申告承認申請書」または「青色申告の取りやめ届出書」の欄で「有」を選択します。





Webライターが開業届を提出する方法
Webライターが開業届を提出する方法は、自分の状況や好みに合わせて選ぶことができます。
主な提出手段や便利なツール、必要書類については以下のとおりです。
- Webライターが開業届を提出する方法は3択
- 無料の開業届作成サービスの活用
- 提出に必要な本人確認書類
それぞれの内容について、詳しく解説します。
Webライターが開業届を提出する方法は3択
Webライターが開業届を提出する方法は、大きく分けて以下の3つの選択肢があります。
- 所轄の税務署へ直接持参する
- 書類を郵送で送る
- e-Tax(電子申告)を利用してネットで送信する
それぞれの特徴やメリットは以下のとおりです。
| 提出方法 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 持参 | 職員に質問しながら記入できる 不備があればその場で訂正できる |
税務署の開庁時間(平日日中)に行く必要がある 待ち時間が発生することもある |
| 郵送 | 税務署へ行く時間や交通費を節約できる | 書類に不備があった場合の修正対応に時間がかかる |
| e-Tax | 自宅から24時間いつでも提出可能 印刷や郵送の手間が一切ない |
マイナンバーカードと、読み取り対応のスマートフォン(またはカードリーダー)が必要 |
マイナンバーカードを持っているなら、自宅で完結するe-Taxが最もスムーズでおすすめです。
無料の開業届作成サービスの活用
Webライターが開業届を提出する方法をより簡単にするなら、無料の開業届作成サービスの活用がおすすめです。
「freee開業」や「マネーフォワード クラウド開業届」などのサービスを利用すれば、画面の案内に沿って質問に答えていくだけで、税務署に提出できる正式な書類が完成します。
難しい専門用語を調べる手間が省けるため、知識に不安がある初心者ライターでも安心して手続きを進められます。
提出に必要な本人確認書類
Webライターが開業届を提出する方法を確認する際は、必要な本人確認書類も忘れずに準備しましょう。
マイナンバーカードを持っている場合は、表面と裏面の写しのみで本人確認が完了します。
持っていない場合は、マイナンバー通知カードなどの番号確認書類に加え、運転免許証やパスポートといった身元確認書類の写しをセットで用意しなければなりません。





Webライターの開業届に関するよくある質問
Webライターの開業届に関するよくある質問と回答をまとめました。
手続きを進める前に、職業欄の書き方や提出後のリスク、扶養に関する疑問を解消しておきましょう。
自宅住所が公開されるリスクはある?
開業届を税務署に提出するだけで、自宅住所が一般に公開されることはありません。
提出書類は税務署内部で管理されるため、第三者の目に触れることはないからです。
ただし、自身のブログで商品を販売する場合など、特定商取引法に基づいて住所を記載しなければならないケースは存在します。
プライバシーを守りたい場合は、バーチャルオフィスの利用を検討してください。
Webライターとして収入ゼロ段階での提出は必要?
収入がまだゼロの段階であっても、事業を開始する意思があれば開業届を提出できます。
開業前にパソコンを購入したり、参考書籍を買ったりした費用を「開業費」として経費計上できるため、早期提出には金銭的なメリットがあります。





Webライターをおすすめしない理由は?
Webライターをおすすめしない理由には、収入の不安定さや、低単価で消耗しやすい点が挙げられます。
納期に追われるプレッシャーや、孤独な作業環境が合わないと感じる人もいます。
一方で、自分のペースで働ける点や、努力次第で収入を大きく伸ばせる点は大きな魅力です。
向き不向きを理解したうえで、まずは副業から小さく始めるのが失敗を防ぐコツです。
学生や主婦でWebライターとして個人事業主化はできる?
学生や主婦でも問題なく開業届を提出し、個人事業主になることができます。
重要なのは、扶養控除の範囲内で働くかどうかを計画的に決めることです。
年間の所得が一定額を超えると、親や配偶者の扶養から外れ、自分で税金や社会保険料を納める必要が出てきます。





Webライターの開業届まとめ
今回のまとめ
- 継続的な収入を得るなら提出が原則
- 青色申告特別控除(最大65万円)などの節税メリットが大きい
- 屋号口座による社会的信用の向上が期待できる
- 失業保険の受給制限や扶養外れのリスクには注意が必要
- 「freee開業」などの無料作成サービスを使えば手続きは簡単
Webライターとして事業を軌道に乗せたいなら、開業届を出して個人事業主として活動するのがおすすめです。
デメリットもしっかり理解したうえで、自分に合ったタイミングで手続きを進めましょう。





