
ポートフォリオを作成したい時、「目次は必要なの?」と悩んだことはありませんか?
インターネット上では「目次は不要」「いや、プロなら必要だ」と意見が分かれており、どちらが正解なのか迷ってしまいますよね。
結論から言うと、現代のポートフォリオにおいて、目次は「必須ではないが、使い方を間違えると致命傷になる」パーツです。
目次をどうするかは、あなたがどんな媒体で、誰に、何を伝えたいかによって判断基準が変わります。
この記事で分かること
- ポートフォリオの目次がいらないのかどうか
- Webと紙で分かれる、現代のポートフォリオの判断基準
- クライアントや採用担当者の「忙しい心理」に合った構成
- Webデザイナー、Webライターなど、職種別の目次に代わるナビゲーション設計の例
- ポートフォリオの目次に関するよくある疑問とその回答
今回は、「ポートフォリオに目次はいらないか」について、明確に判断する基準と、目次を省いた場合の具体的な設計ノウハウを徹底解説していきますよ。
【結論】ポートフォリオの目次がいらないかは、Webと紙で異なる
結論:Webポートフォリオの目次は、原則「いらない」か、「ごく簡略化する」のが現代の主流です。
その主な理由は、閲覧者の環境がPCからスマートフォンへ移行し、「いかに早く、目的の情報にたどり着けるか」が重視されるようになったからです。
しかし、媒体が「紙」の場合は、依然として目次が重要な役割を果たしています。
- 結論、目次はいらない事が多い
- Webのポートフォリオなら
- 紙のポートフォリオなら
それぞれ詳しく見ていきましょう。
✦ 結論、目次はいらない事が多い
現代のポートフォリオにおいて、目次がいらないと判断される主な理由は、以下の通りです。
1. 閲覧者の集中力を削ぐ
採用担当者やクライアントは非常に忙しく、あなたのポートフォリオを見る時間は平均して3分程度と言われています。
目次を読むという行為は、本題(あなたの作品)にたどり着くまでのタイムラグとなり、集中力を削いでしまう可能性があります。
2. Webではナビゲーションが代替可能
Webサイト型のポートフォリオでは、ヘッダーのグローバルナビゲーションや、TOPページに設置するアンカーリンク(ページ内リンク)が目次の役割を完全に果たすことができるでしょう。
3. 作品羅列の目次だと煩雑
作品数が極端に多い場合を除き、作品を羅列するだけの目次は情報が重複し、かえってページ移動を煩雑にすることが多いのです。
✦ Webのポートフォリオなら
そう、上記の内容で分かるように、Webサイト型のポートフォリオでは、目次は基本的に「いらない」です。
ただし、作品数が15点を超えるなど、ボリュームが膨大になる場合に限り、以下のような形で目次機能を代替・簡略化するのが有効でしょう。
✦ TOPページをサマリー(目次代わり)にする
TOPページに「Webサイト制作」「ロゴデザイン」「Webライティング」といったカテゴリーを設け、そこから各作品群へジャンプできるように設計します。
✦ ナビゲーションバーに集約する
グローバルナビゲーションに「WORKS(実績)」「ABOUT(自己紹介)」「SKILL(スキル)」「CONTACT(問い合わせ)」といった必須項目を集約し、目次ページを省くこともできます。
✦ ただし、紙のポートフォリオは…
PDFや印刷物として提出する紙のポートフォリオは、Webとは異なり「目次がほぼ必須」です。
紙媒体では、閲覧者が全体像を把握したり、特定の情報(スキルや実績)へ戻ったりする際に、目次が唯一の道標となるからです。
目次がないと、担当者は全てのページをめくり直す必要があり、大きなストレスになります。
✦ 必須項目
紙のポートフォリオの目次には、次の内容を明記することが、情報伝達において必須となります。
- ページ番号
- カテゴリ(職種)
- 掲載作品のタイトル(またはクライアント名)
- 制作期間
- そして使用ツール
✦ 役割
目次は、ポートフォリオの全体構成を提示する重要な役割を果たすとともに、閲覧者が目的のページへすぐにたどり着けるよう、物理的なページ移動をサポートする役割も担っているのです。
そもそも、ポートフォリオの役割と閲覧者の心理とは
さて、ポートフォリオの目次の必要性を判断する時、「なぜクライアントはあなたのポートフォリオを見ているのか」も一緒に考えることがとっても重要です!
- ポートフォリオのそもそもの役割
- 閲覧者の心理とは
これらのポートフォリオの本質を理解しておくことで、見る人にとって見やすい=伝わりやすいポートフォリオを作ることができるでしょう。
✦ そもそもの役割は「即戦力と信頼性の証明」
ポートフォリオの役割は、あなたの作品集ではなく、以下のような事柄を証明するビジネスツールです。
- あなたがクライアントの課題を解決できる即戦力であること
- 最後まで責任を持って業務を遂行する信頼性があること
閲覧者は、あなたの技術レベル・スキルと、それによって生み出された成果・実績を、可能な限り短い時間で見抜きたいのです。
✦ 閲覧者の心理
閲覧者は基本的に「時間がない」が前提。
そんな中で、クライアントがポートフォリオを見る時の心理は、以下のような流れになります。
- step.1第一印象…3秒「これは誰のポートフォリオか?」を判断し、興味を持つかどうかを決定します。
- step.2スキルの確認…10秒「私が求めているスキル(Web制作/ライティングなど)を持っているか?」をトップページやサマリーで瞬時に確認します。
- step.3代表作の選定…30秒「最も代表的な作品はどれか?」を判断し、詳細を見るかどうかを選別します。
- step.4深掘り評価…3秒「この人に発注した場合、どんな結果を出してくれるか?」を作品ごとの詳細や実績、自己紹介から総合的に評価します。
つまり、目次がダラダラと長かったり、ページ番号だけが羅列されていたりすると、閲覧者は「私の知りたい情報がどこにあるかわからない」と感じ、離脱してしまうリスクが高まるんです。
目次に代わる「プロが使うべき」構成と項目
では、目次を省く場合はどのように分かりやすく構成すればよいのでしょうか?
先程の章で理解が深まったかなと思いますが、ただ単にページを削除するだけでは不親切ですよね。
- 目次がない時に考慮すべき2つのこと
- 目次の代わりに使える構成・項目
- ダメな構成とは?

目次が担っていた「道標」の役割を、他の構成要素で代替しましょう!
✦ 目次がない時に考慮すべき「2つの懸念点」
目次をつけない場合に、閲覧者が抱く可能性のある懸念点は主に以下の2点です。
1. 全体像が掴めない
「このポートフォリオに、全部でいくつの作品が入っているのか」「自己紹介はどこにあるのか」といった全体構造が掴めず、見るのに時間がかかる。
2. 目的の作品にたどり着けない
特定の技術(例:SEOライティングの実績だけ)を知りたいのに、どこから作品を探せばいいか迷ってしまう。
目次の代わりに使える構成と項目
プロのフリーランスが目次代わりに利用すべき構成は、「TOPページ(サマリー)の強化」と「グローバルナビゲーションの最適化」です。
| 項目 | 役割(目次との違い) | 記載すべき内容 |
|---|---|---|
| TOPページサマリー | 情報設計の要 …最も見てほしい作品を最初に提示し、スキルを要約する。 |
|
| グローバルナビ | 常設の道標 …常に画面上部に表示し、どこへでもすぐに移動できる機能。 |
|
| フッター | 再訪時の誘導 …閲覧者が最後まで見た後に、次のアクションを促す。 |
|
✦ ダメな構成とは?「作品羅列型」からの脱却
最もダメなポートフォリオの構成は、「目次ページに作品のタイトルを羅列し、あとは延々と作品詳細が続く」という構成です。
これは、閲覧者の興味を引く前に、情報に埋もれさせてしまう危険性があります。
✦ NGな目次の例
- 「1. ○○株式会社Webサイト制作」
- 「2. SNS運用代行(A社)」
- 「3. 企業ロゴデザイン(B社)」
- …(20個続く)
理想の構成は、まずあなたの強みを示し、その裏付けとして「代表的な作品」を提示→さらに深掘りしたい場合に「すべての作品」へと誘導する、階層的な設計なのです。
目次がなくても迷わせない!【職種別】ポートフォリオの全体設計
では、目次がない場合のポートフォリオの全体設計について、職種別の例を見ていきます。
- イラストレーターのポートフォリオ
- グラフィックデザイナーのポートフォリオ
- Webデザイナーのポートフォリオ
- Webライターのポートフォリオ
- 動画編集者のポートフォリオ
目次の役割を各パーツに分解し、職種に合わせて、閲覧者がストレスなく情報にアクセスできる「ナビゲーション設計」を行いましょう。
イラストレーターの例|スタイル別にカテゴリを分ける
イラストレーターのポートフォリオは、作品の「雰囲気や画風」が重要です。
目次代わりのナビゲーションでは、技術ではなくカテゴリで分けましょう。
- ナビゲーション項目:「WORKS」「ABOUT」「CONTACT」
- WORKS内での分類:
- キャラクターデザイン(作風A):厚塗り、デフォルメなど
- 挿絵・背景:風景、小物など
- クライアントワーク:実績一覧
グラフィックデザイナーの例|媒体と目的で分類する
グラフィックデザイナーは、媒体(紙かWebか)と、デザインの目的(ブランディング、販促など)で分類すると、閲覧者がスキルを把握しやすくなります。
- ナビゲーション項目:「WORKS」「SKILLS」「ABOUT」
- WORKS内での分類:
- 紙媒体:ポスター、パンフレット、名刺
- Web関連:バナー、SNS画像
- CI/VI:ロゴ、ブランドガイドライン
Webデザイナーの例|工程と技術で分類する
Webデザイナーは、「あなたがどの工程を担当できるか」を示すことが重要です。
ナビゲーションでは技術面を強調しましょう。
- ナビゲーション項目:「WORKS」「SKILL SET」「CONTACT」
- WORKS内での分類:
- Webサイト制作(企画・設計からコーディングまで)
- UI/UXデザイン(デザインカンプのみ)
- マークアップ(コーディングのみの案件)
- TOPページサマリー:使用ツール(Figma, WordPress, HTML/CSSなど)を必ず目立つ位置に配置。
Webライターの例|専門分野と文字単価を明記する
Webライターの場合、目次はいらない事が多いです。
作品の羅列よりも、「何に強いか」を示すサマリーが重要になるでしょう。
- ナビゲーション項目:「WORKS」「SKILL(対応領域)」「PROFILE」
- WORKS内での分類:
- 得意ジャンル別:SEO記事(金融)、コラム(育児)
- 制作物別:SEO記事、企画書、メルマガ
- SKILL(対応領域):SEO知識レベル、取材可否、文字単価の目安などを簡潔に記載し、目次よりも深い情報を提供する。
動画編集者向けの例|尺と目的で分類する
動画編集者は、「動画の長さ(尺)」と「目的(用途)」で作品を分類すると、クライアントがイメージしやすくなります。
- ナビゲーション項目:「WORKS」「TOOLS」「CONTACT」
- WORKS内での分類:
- YouTube動画(長尺・継続案件)
- SNS用ショート動画(短尺・縦動画)
- 企業PV・ブランディング動画
などなど、これらはひとつの例に過ぎませんが、職種に合った情報整理をすることで、アピールポイントがぐっと伝わりやすくなりますよ。
ポートフォリオの目次デザイン・項目に関するよくある疑問Q&A
最後に、本章では扱いきれなかった、その他のよくある質問についてまとめました。
- ポートフォリオの目次は、英語でもいい?
- 目次デザインのおすすめは?
- ポートフォリオの全体的な書き方は?
それぞれ簡潔に解説していきますね。
ポートフォリオの目次(またはナビゲーション)は、英語表記でもいいですか?
はい、問題ありません。むしろ推奨されます。
Webデザイナーやライターのポートフォリオでは、「WORKS」「ABOUT」「CONTACT」といった英語表記が国際的なスタンダードであり、プロフェッショナルな印象を与えます。
ただし、日本語圏のクライアントが中心の場合は、併記するか、より伝わりやすい日本語(実績、自己紹介など)を使う配慮も大切です。
目次をつける場合、どのようなデザインがおすすめですか?
目次を設ける場合、シンプルで情報量が少ないデザインが最もおすすめです。
単なる文字の羅列ではなく、作品のサムネイル(画像)を添えたり、カテゴリごとに色分けしたりすると、視覚的に分かりやすくなります。
特にWebポートフォリオのTOPページで目次機能を代替する場合は、カード形式のサムネイルデザインを採用し、クリック誘導をスムーズにするのが鉄則です。
ポートフォリオの目次だけでなく、全体的な書き方や構成について知りたいです。
全体的な書き方を、具体例とともに解説しますね。
ポートフォリオで本当に重要なのは、「課題→解決→結果」という作品ごとのストーリーと、あなたの人柄や業務への姿勢を示すことです。
全体の構成や具体的な作品の深掘り方法については、↓こちらの記事をご覧くださいね!
まとめ|目次があってもなくても、作品の質と導線設計に注力するべし
今回は、「ポートフォリオの目次はいらないの?」というテーマについて解説してきました。
目次の必要性は媒体と目的によって異なりますが、最も重要なのは、閲覧者を迷わせないこと。
質の高い作品や、見やすい導線設計に注力し、魅力的なポートフォリオを完成させましょう。
今回のまとめ
- Webポートフォリオは原則目次不要
- グローバルナビとTOPページサマリーで代替する
- だが、紙のポートフォリオは閲覧性を高めるため、目次が必須
- 目次は「作品一覧」ではない
- 「閲覧者の知りたい情報へ導くツール」として設計すべき
- 職種に合った分類をすると、プロ意識が伝わる
目次を賢く扱い、ぜひあなたの魅力を最大限に伝えるポートフォリオを作成してくださいね。


