現フリーランスの人で「保育園ずるいって言われた」と困っているでしょうか?
はたまた、「あの人、フリーランスなのに保育園に預けててずるい…」そんなモヤモヤを抱いていませんか?
在宅で働く=自由に子育てできると思われがちですが、現実はそんなに甘くありません。
この記事でわかること
- 「フリーランス 保育園 ずるい」と言われる理由と背景
- 実際にフリーランスが保育園を利用する際のリアルな事情
- 誤解されないために心がけたい行動や姿勢
- 必要な書類と信頼性を高める工夫
- よくある誤解や質問への具体的な回答
それでは、フリーランスの保育園がずるいと言われる3つの理由から見ていきましょう。
なぜ「フリーランスの保育園利用はずるい」と言われるのか?
主に以下3つの理由が誤解や「ずるい」のもととなっています。
- フリーランスなら、自宅でこどもを見れそう
- 自営業だと嘘をついている可能性もある
- 憧れや、外勤はもっと苦労している…という考え
自宅で仕事をするという働き方から、「こどもを自宅で見られるのでは」と思われたり、働いている実態が見えにくいために「保育園に入るためだけに自営業を名乗っているのでは?」と疑われることも。
さらには、フリーランスという自由度の高い働き方への羨望や不公平感が、「ずるい」という感情にすり替わることもあるようです。
ではそれぞれの意見について、深掘りしてみましょう。
1. 自宅でこどもの面倒を見れるのではないか
フリーランスは多くの場合、自宅で働いているため、外から見ると「保育園に預けなくても育児と両立できるのでは?」と思われがちです。
確かに、外勤のように物理的にこどもと離れている訳ではありません。
しかし実際には、子どもの世話・相手をしながら集中して作業を進めるのは極めて困難。
オンライン会議や納期が重なる時期に、途中で何度も中断されることは致命的です。
在宅=自由ではなく、むしろ「誰も助けてくれない環境で孤独に働いている」という側面があることも、あまり知られていないのが現状ですね。
2. 保育園に入るために自営業だと嘘をついてる疑いがある
SNSなどでも見かける「保育園のためにフリーランスを名乗ってる人、絶対いるでしょ」という声。
これは、開業届を出していない・収入実績が不透明といったケースが実際にあるため、疑念を招きやすいのかもしれません。
ですが、多くのフリーランスは必死に案件を獲得し、昼夜問わず仕事をこなしています。
もしかすると、過去本当に“虚偽申請”をしている人が中にはいたのかもしれませんが、「全員がずるい」という決めつけは極端な考え方と言えるでしょう。
3. 一部は憧れや、外勤はもっと苦労してる…という思いから
「フリーランスは自由でいいよね」「こっちは朝から晩まで満員電車と育児と仕事でヘトヘトなのに」といった声には、不満や憧れが混ざっているケースも見受けられます。
外で働く大変さはもちろんありますが、それと「フリーランスずるい」を繋げてはいけません。
内訳は違えど、どちらも懸命に働いています。

私は外勤正社員での保育園も、フリーランスでの保育園も経験済み。どちらも大変ですよね。
何事も自分がやってみないと分からないことばかり。
在宅だからといって楽ができるとは限らないこと、そして働き方は人それぞれであることを、少しでも理解し合える社会であってほしいですね。
次の章では、その実際の保育園生活を通して感じたリアルをご紹介していきます。
本当にずるい?フリーランス家庭の保育園事情のリアル
このように「ずるい」と言われることもあるフリーランス家庭ですが、当事者の視点から見ると全く違った景色が見えてきます。
- 私はずるいとは思いません
- フリーランスのリアル 保育園入園前
- フリーランスのリアル 保育園入園後
筆者自身の考え・リアルな経験を交えて、「本当にずるいのか?」という疑問に向き合ってみました。
フリーランスの保育園、私はずるいとは思いません
「自宅で働ける=楽」といったイメージから、フリーランスの保育園利用が「ずるい」と言われることがあります。
でも、私はそうは思いません。
先程もお伝えしましたが、外勤の方々が大変なのも、この身をもって深く理解しています。
正社員だった時は、朝こどもにグズられると会社に遅刻しちゃいそうになって相当焦ります。
時間も気持ちも本当キツくて、家事なんていつやるのって感じで毎日深刻な寝不足でしたね。
フリーランスの主婦はというと、確かに合間に家事も少しできます。
でも、フルタイムの仕事の中に家事を無理やり詰め込んでいるだけであって、外勤同様に決して余裕はありません。
定時がなく、こどもたちが寝た後も仕事です。自分で案件を取り、納期を守り、代わりが100%いない仕事を毎日続けながら、育児との両立に挑んでいます。
どちらが楽・ずるいという二元論ではなく、それぞれに苦労があり、それぞれに支えが必要なのだと思うのです。
私たちが保育園を利用するのは「こどもを預けてラクをするため」ではなく、「こどもの成長と、働く環境の両立のため」。
その選択を「ずるい」と決めつけることに、あまり意味はないのではと感じています。
私のリアル~フリーランス活動の中、保育園に通う前
私は1人目の子の時に、外勤正社員での保育園を経験し、2人目の子がフリーランスでの保育園です。
下の子が、3歳になる年から保育園に通い始めました。
つまり、2歳の後半くらいまでは自宅で子供をみながら、フリーランスとして仕事をしていたんですが、特に2歳をこえてからは、本当に本当に苦労しました。
どんな生活かというと…
上の子は小学生なので朝、7時ごろには起床します。その時、下の子がもう少し寝ていてくれたら、朝から仕事を進められるのですが、目覚ましの音で一緒に起きてしまいます。
そこからまずはオムツ替えや2人の朝ごはんをしてあげて、洗濯、ごはんの片付けをする。
口で言うのは一瞬ですが、あれイヤこれイヤに付き合いながらなので、平気で1時間以上必要です。
上の子を送り出して、ようやく仕事に取り掛かろうとしますが、さて下の子1人でどうするんだって話。
- 一緒に遊びながら仕事をするか、
- 本当に納期がやばい時は罪悪感を感じながらも、動画を見てもらったりするか。
動画を見てもらっていても、「あれなに?」「あれどこ?」などの相手は必要です。
長時間は見させたくないし、オムツ替えは途中で発生するし、本当に30分すら固まって仕事の時間が取れませんでした。
お昼寝中は、ママが抜け出すとすぐに起きちゃうタイプで、そうこうしているうちに上の子が学校から帰宅します。
今度は上の子の宿題の本読みを聞いたり、習い事がある日は送迎も発生。そんなこんなで、もう夕方です。晩御飯の準備をしていかないといけません。
集中して仕事ができるのは、本当にこども達が夜寝た後です。
でも、自分もそこまで体力が残っていないから、思っていた範囲の仕事をこなせず、結局寝落ちしてしまい…。
こんな毎日。
フラストレーションが溜まり、高頻繁で爆発しかけてしまい、夫にヘルプを出していました。
子どもとちゃんと向き合えていない事にも嫌気がさして、たくさん自分を責めていました。
私のリアル~保育園に行き始めてから
子どもが保育園に慣れてからはというと。
我が子がここにいないことへの寂しさもありますが、こんなに仕事に集中できるんだ!と保育園への感謝でいっぱい。
こどもも、仕事の片手間では教えてあげられなかったことを、保育園でたくさん吸収してくれて、すごくほっとしています。
でも忙しさはもちろんあるんです。
ある1日のフリーランス主婦のスケジュールを記録しました。次の記事を待っていてくださいね。
結論、フリーランスにも特有の忙しさがあるのです
フリーランスは時間の自由がある反面、全ての責任を自分で背負う働き方です。
一見すると「こどもがいない時間=自由時間」のようにも見えるかもしれませんが、フリーランスとして働く場所が自宅なだけで、仕事は外勤の方と同じように山ほどあります。
会社のように代わりがいるわけではないので、こどもや自身の発熱で仕事をお休みなんてしたら、仕事は溜まる一方。
もちろん、外勤の方がお休みを取る時は、周囲への気疲れ・精神的負担もありますよね。それも軽視している訳ではありません。

ただ、それぞれの大変さを理解してもらえたら、「ずるい」という表現にならないのでは、と感じるのです。
「ずるい」と誤解されないためにできる、3つのこと
とはいえ、この記事を読んでくれた方にしか、この思いは届いていないので…
フリーランスが保育園を利用しているだけで「ずるい」と言われてしまわないように、対策も必要ですよね。
誤解を招かないためには、日々のふるまいやちょっとした心がけが大切になってきます。
- 申請は盛らない
- コミュニケーションをきちんと取る
- 早く終わる日は、早めのお迎えに協力
ここでは、誤解を避けるためにできる3つの工夫をご紹介します。
1. 申請は盛って書かない
保育園利用の際に提出する就労証明書や就労状況申告書では、就労時間や収入について正確に記入することが大前提です。
「点数を稼ぐために、ちょっと盛って書いてしまおう…」という思いも、気持ちとしては理解できますが、これは絶対に避けるべき行為です。
保育課も経験豊富なので、明らかに実態とかけ離れた内容には敏感。
場合によっては追加資料の提出や、再確認を求められることもありますし、不信感を与えてしまうと、今後の申請にも影響しかねません。
誠実な内容で提出することで、実際に通うことになる保育園にも信頼を与えることができます。
2. 周囲とコミュニケーションを取る
保育士さんや他の保護者の方と仕事のことをお話する機会もありますよね。
その際、好きな仕事だと伝えつつも、フリーランスとして案件を獲得したり、請求書を自分で発行したりと、苦労している部分もあるんだと、ありのままを話してみましょう。
フリーランスの働き方を分かってもらえるきっかけになるかもしれません。
しかし、あまりにもしんどいアピールはしないで下さいね。
3. 早く終わる日は早めのお迎えに協力する
仕事が早めに終わる日や、スケジュールに余裕がある日は、できる範囲で早めにお迎えに行くのも1つの配慮です。
周囲から「フリーランスなのに保育園に長く預けっぱなし」と思われないために、時間に余裕がある日はその分、園に協力するという姿勢を見せることで、印象はぐっと良くなります。
子どもにとっても、普段より少し早いお迎えは嬉しいもの。
ほんの小さな気遣いが、誤解のない関係づくりに繋がっていくでしょう。
収入がないフリーランスの保育園利用は不正?必要な書類は
さて、「収入がないフリーランスが保育園に入れてるのって、さすがにずるいんじゃない?」という意見もちらほら目にします。
ずるい、さらには不正なのでしょうか?
- 収入がないフリーランスの保育園利用は不正か
- フリーランスが入園するときに必要な書類は
これらの内容を解説します。
収入がないフリーランスの保育園は不正?
収入がないフリーランスに対し、保育園の利用がずるい・不正なのではという声。
実は、収入が一時的にない=不正というわけではありません。
フリーランスは、案件の波や開業初期の準備期間など、収入が安定しないことも多いもの。
だからこそ、【就労の実態があるかどうか】が審査のポイントになるのです。
開業届を出していない方や、まだ収入が発生していない方でも、以下のような代替資料で保育園利用が認められるケースがあります。
- クラウドソーシングの登録・応募履歴
- 今後の業務予定や受注見込み
- 求職活動中の申告
求職活動中としての申請など、詳しくは以下の記事で詳しく解説しています。
駆け出しのフリーランスは、収入が少ないのも当たり前。
でも、小さな案件でもコツコツと実績を重ね、収入の面からも胸を張って保育園の利用ができるよう、頑張りましょうね。
フリーランスが保育園利用申請に必要な書類一覧
ちなみに、先ほどご紹介した記事でも解説していますが、フリーランスが保育園の入園申請で求められる書類は、以下のようなものがあります。
- 就労証明書(自営業・フリーランス用)
- 就労状況申告書
- 業務委託契約書・請求書など
- 確定申告書の控え
- クラウドソーシングの受注履歴
これらの書類を揃えることで、「保育の必要性がある」という根拠をしっかりと提示できます。
さて最後に、「保育園 フリーランス ずるい」に関するよくある疑問や、誤解されないための考え方について、Q&A形式でお答えしていきますね。
フリーランス×保育園「ずるい」に関するよくある質問と答え
ここでは、本編では紹介しきれなかった疑問について、解説していきます。
- 保育園のお迎えが祖父母なのはずるい?
- 自営業で働いていないのは、保育園にバレる?
- 就労証明書を偽造すると罪になる?
ひとつずつ回答していきます。
保育園に祖父母がお迎えに行くのもずるい?
いいえ、それだけで「ずるい」と言われる理由にはなりません。
共働きの家庭では、サポート体制を整えるのも立派な工夫のひとつ。
保育園としても、子どもが安心して通える環境が整っていることは歓迎されるはずです。
ただ、周囲への説明が不足すると誤解を生むこともあるため、必要に応じて状況を丁寧に伝えることも大切ですね。
自営業で働いてないのは保育園にバレるのですか?
完全に“バレる”とは限りませんが、保育園利用更新時に就労実態の確認があることもあれば、次の質問同様、罪にもなり得ます。
また、以下のような事が“バレる”きっかけになる可能性もあるでしょう。
- こどもが保育園で「ママは働いていない」と言ってしまう
- いつもと違う派手めのメイクの日がある など
働いていないのに申請だけしている場合は、「不正受給」と判断される恐れもあるので、実態のない自営業はやめましょう。
保育園の就労証明書を偽造すると罪になりますか?
はい。有印私文書偽造罪や、私電磁的記録不正作出罪などに該当する可能性があります。
就労証明書は行政に提出する正式な書類なので、虚偽の記載は重大な法的リスクを伴います。
保育園の利用停止だけでなく、懲役や罰金などの法的措置が取られる可能性もあるので、「少しくらい大丈夫」と思わず、正確な情報を記載しましょう。



ご不安な場合は、事前に自治体の保育課に相談するのが最も安心です。
フリーランスならではの柔軟な働き方も、きちんと伝えれば理解を得られるケースは多くありますよ。
フリーランスの保育園利用が「ずるい」の誤解を解いて前向きに
さて、今回の記事で「フリーランスの保育園利用は、ずるくない」と少しでも分かってもらえたでしょうか。
また、ずるいと言われてしまった方は、対処法を覚えられましたか?
実際には多くのフリーランスが、仕事と子育てに真剣に向き合い、保育園を利用しています。
今回のまとめ
- 「フリーランスはずるい」と言われる背景には誤解がある
- 自宅でこどもを見ながら仕事をこなすのは非常に困難
- フリーランスにも外勤にも、それぞれの忙しさがある
- 誤解されないためには、丁寧なコミュニケーションと行動が大切
- 就労証明や関連書類は正しい情報を記入し、信頼性を高める工夫を
- フリーランスも正当に保育園を利用できる社会的な土台がある
誰しも、立場や環境が違えば見え方も異なります。
「ずるい」という声があると知った今こそ、自分の働き方・姿勢を伝えるチャンスだと捉え、前向きに進んでいきましょうね。