フリーランスの体調不良は休めない現実…。クライアントへの説明例・補償や減収対策を解説！

フリーランスとして働いていると、「体調不良の時、どうしよう」という悩みに直面しますよね。

誰にも代わってもらえない責任、休めないプレッシャー…そんな状況に悩んでいる方は少なくありません。

今回は、フリーランスの体調不良時のリアルや、クライアントへの相談例文、活用できる支援などについて詳しく解説します！

• フリーランスが体調不良になったときのリアルな実情
• クライアントへの正しい伝え方と配慮のルール
• 病気で働けないときの補償・支援制度の概要
• うつやメンタル不調のときの対応や相談先
• 長期離脱に備えるリスク対策と働き方の工夫

あなたの働き方と心身を守るために、今すぐ確認しておきましょう。

フリーランスは体調不良でも休めない？現実の理由とリスク

まずは、フリーランスが体調不良でも休めない実態について。

多くのフリーランスが抱える“休めないプレッシャー”の正体とその背景をひもときます。

休めない理由①　休んだ分だけ収入が減るのがフリーランスの現実

会社員であれば、有給休暇や病気休業制度を利用して給与の保障を受けられる場合が多いですが、フリーランスには基本的にそのような制度は存在しません。

そのため、体調を崩して休む＝その日の収入がゼロになることを意味します。

また、納期に間に合わなければ信頼を損なうリスクもあるため、多少無理をしてでも仕事をこなそうとする人が多いのが実情です。

これは、特に継続案件を抱えるフリーランスほど顕著に見られる傾向ですね。

休めない理由②　周囲に代わってもらえない、孤独な働き方

チームで働く会社員とは異なり、フリーランスは「自分がやらなければ誰も代わってくれない」という環境にあることがほとんどです。

体調不良で倒れても、代理を立てることができないため、納期や進行へのプレッシャーを一人で抱え込むことになります。

このような「代替不可能性」もまた、休むことへの心理的ハードルを高めている要因のひとつです。

休めない理由③　納期が短いフリーランスは案件が多い

体調不良なのに、納期が短い＝相談できる時間もなくて休めない、というケースもありますよね。

たとえばSNSやYoutube関連の案件だと、投稿頻度がかなり大事なので、毎日投稿や2～3日には1投稿。こうなると突然の体調不良ではなかなか休みにくいです。

私もSNS運用代用などフリーランスとしての活動歴は1年以上ですが…

そこまで急ぎではない画像作成などの案件では、1～2日程度、納期を伸ばしてもらったこともありますが、その程度です。

そして起きるリスク｜無理を重ねると、長期離脱に繋がる

そして、無理をしすぎるとどうなるか。

「症状が悪化し、数週間以上の休業を余儀なくされた」という事にもなりかねません。

私も、忙しくて病院に行く余裕がなく、風邪から中耳炎になって、1週間以上聞こえ方がおかしくなってしまったことがありますが、それでも病院に行かず、のちのち後悔…汗

短期的には納期を守れても、長期的には信頼の損失や心身の限界に繋がるリスクもあります。

体調不良をクライアントへ伝える、例文とマナー

では、フリーランスが体調不良で仕事を休みたい時、クライアントにはどう伝えれば良いのでしょう？

伝え方次第で今後の信頼関係が大きく左右されるため、適切なタイミングと表現が大切です。

この章では、体調不良時に取るべき連絡のマナーや対応のコツをご紹介します。

フリーランスの体調不良の報告は「早め・簡潔・誠実」に

まず大前提として、フリーランスは体調不良を感じた時点で、早めにクライアントへ連絡を入れましょう。

「薬を飲んでなんとか乗り切ろう」と様子を見てしまい、ギリギリに報告すると、調整が難しくなって結局休めないなど、結果的に自分が損することに。

ですので早めの相談が本当に大事。また、その際には簡潔で誠実なメッセージも重要です。

体調不良を伝える例文

連絡内容は長文でなくて構いません。

以下のように、事実と影響範囲、今後の見通しを簡潔に伝えると良いでしょう。

例：〇〇様  
お世話になっております。  
申し訳ありませんが、現在体調を崩しており、○○日の納品に遅れが生じる可能性がございます。  
つきましては、納期を伸ばしていただくことは可能でしょうか？
遅くとも△△日までには納品可能です。  
ご迷惑をおかけし申し訳ありません。ご確認のほどよろしくお願いいたします。

体調不良連絡のポイントは、代替案

クライアントが気にするのは「対応できるかどうか」と「代替案があるか」です。

そのため、ただ「体調が悪い」と伝えるのではなく、次のような工夫をしましょう。

不安を与えない連絡は、信頼継続のカギになります。こちらが誠実な姿勢を示せば、多くのクライアントは柔軟に対応してくれるはずです。

また、継続的にやり取りしているクライアントであれば、「このような状況の際、事前にどこまで報告しておけば安心いただけるか」と、体調回復後に確認しておくと、今後の関係性がより良くなるでしょう。

無理しなくていい！育児介護に関するフリーランス保護法

こちらは、育児や介護と両立している主婦フリーランスの方には、ぜひ知っておいてほしい情報です。

体調不良でも休めない…と感じがちなフリーランスにも、実はちょっと安心できる制度があるんです。

それが2024年11月から全面施行されている「フリーランス保護法（特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律）」です。

フリーランス保護法第13条の対象者と期間ごとの制度内容

この法律の中でも特に注目したいのが、「育児・介護などとの両立に配慮すること」を発注者に義務付ける条文（第13条）。

育児中や体調不良による制限があっても、柔軟な働き方ができるようにする仕組みとして、今後ますます重要になるでしょう。

すべての取引に適用されるわけではなく、以下のような条件があります。

発注者側は、仮に配慮が難しい場合でもその理由をフリーランスに丁寧に説明する必要があります。

具体的に、フリーランスはどんな配慮をしてもらえるのか

具体的な配慮の例は、以下のようになっています。

「申出を理由に不利益な扱い」はNGです

育児や介護などとの両立を理由に配慮を申し出た時、契約の打ち切りや報酬の減額など、不当な扱いを受けることは禁止されています。

また、「配慮を求めるな」と言われたり、嫌がらせを受けたりすることもハラスメントに該当します。このような扱いがあった場合は、相談窓口や公的機関に報告することも可能です。

相談窓口例：フリーランス・トラブル110番

フリーランスも無理せず、働き方改善を求める権利があります

これまで「フリーランスだから我慢するしかない」と思っていた方にとって、この法律は大きな希望ですね。

発注者にとっても、誠実な対応は信頼関係を保つうえで重要なポイントになります。

体調不良や育児との両立が困難なときは、自分の体を最優先にし、遠慮せず相談してみましょう。法律は、あなたの味方です。

体調不良が続く場合、補償や手当はあるの？制度の仕組みを解説

さて次に気になるのは、フリーランスが体調不良が続いたり、入院などで仕事ができない時、「何か補償はあるの？」ということ。

ここでは、会社員とは異なるフリーランスならではの補償制度や、知っておきたい備えについて解説します。

フリーランスには、有給・傷病手当金が原則ない

会社員であれば、有給休暇や傷病手当金があるので、療養中の生活費の一部をカバーできます。

しかし、フリーランスには、原則としてこれらの制度がありません。

一部の自治体や、国民健康保険組合（業種別の組合）によっては、独自に傷病手当金を支給しているケースもありますが、全国一律ではないため、自分が加入している保険の内容を必ず確認しましょう。

民間保険でカバーするのが現実的

フリーランスが病気やケガで仕事ができなくなった場合に備えるには、民間の「所得補償保険」や「就業不能保険」に加入するのが現実的な方法です。これらは以下のような特徴があります。

「いざ」という時の安心感を得るためにも、フリーランスこそ保険による備えが重要です。

傷病で長期収入減が続いた場合の支援策

病気や体調不良が長期にわたって収入に影響した場合、次のような支援制度を検討するのも一つの手です。

いずれも要件や手続きがあるため、体調が安定しているうちに「自分が利用できる制度はあるか」を事前に調べておくことが大切です。

うつ・メンタル不調とフリーランス｜体調不良を悪化させる前に

さて、風邪などの体調不良以外にも、フリーランスとして働く中での納期プレッシャーや孤独・収入不安などからメンタルを崩す人も少なくありません。

ここでは「限界かもしれない」と感じたときに取れる具体的な対処法を、心と生活の両面からお伝えします。

「不調かも」と思ったらすぐに休みましょう

うつやメンタル不調の初期段階では、「まだ大丈夫」「あと少し頑張ればなんとかなる」と我慢しがちです。

しかし、無理を続けるほど回復には時間がかかるもの。

特にフリーランスは休むことに罪悪感を持ちやすいですが、自分が倒れると収入も信用もゼロになりかねません。

以下の症状例は、休息が必要なサインですよ。早めに休みましょう。

メンタルケアのために、今すぐできる3つのこと

日常でできるセルフケア習慣を、無理のない範囲で取り入れることも効果的です。

行政・医療・民間の相談先を知っておく

本格的な不調になる前に、早めに相談できる環境を整えておくことも大切です。

以下のような窓口をメモしておきましょう。

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メンタル不調は誰にでも起こるもの。

フリーランスは自分で働き方を決められる分、過労にもなりやすい働き方だからこそ、限界のサインを見逃さず、早めに「休む勇気」を持つことが大切です。

フリーランスが長期で働けない場合、自分でできる減収対策は？

フリーランスが体調不良で長期間仕事を休まざるを得なくなった場合のために、保険以外での減収対策も考えておきましょう。

日頃からできる備えや、働けない時の対処法について具体的にご紹介します。

日頃から生活防衛資金を確保しておく

収入が途絶えたとき、最も頼りになるのはやはり「貯蓄」。

会社員のように有給や手当があるわけではないため、フリーランスにとって生活防衛資金の準備は必須です。

目安としては、最低でも生活費の3〜6ヶ月分を確保しておくと安心でしょう。

体調不良が悪化するなど、働けない期間が伸びる可能性もあるため、余裕を持った備えを心がけてください。

フリーランスは、収入源を1本にしないこと

一つのクライアントやサービスに依存していると、病気などで一時的に手が止まった時の打撃が大きくなります。

体調不良のリスクに備えるためにも、複数の収入源を持つことを意識しましょう。例えば…

簡単な副業案件に切り替える選択肢も

また、高負荷な仕事が難しい時期でも、短時間・低ストレスでできる作業を取り入れるのも一つの方法です。

例えば…

完全に休むのではなく、「できる範囲で働く」柔軟さを持つことで、精神的な不安も軽減されますね。

もしもの時に備え、契約書に“納期調整の余地”を盛り込む

万が一の体調不良に備え、継続契約や大きなプロジェクトの契約書には、「納期の延長に関する協議条項」を入れておくと安心です。

前項規定の納期について、やむを得ない事由により延長の必要が生じた場合、甲は直ちにその旨を乙に書面または電子メールにて通知し、
両者協議の上、延長後の納期を決定するものとする。

フリーランスの体調不良に関する、よくある質問と答え

さて最後に、フリーランスの体調不良に関する、その他の疑問についてQ&A形式で簡潔にお答えします。

それではひとつずつ見ていきましょう。

フリーランス新法で30日ルールとは？

2024年11月施行の「フリーランス新法」（特定受託事業者法）により、発注者には、フリーランスに対して業務開始予定日の30日前までに、契約内容を文書や電子メール等で提示する義務が課されます。

これは、体調不良や育児・介護などで働き方を調整したいフリーランスにとっても、契約条件を事前に把握できるメリットとなります。

フリーランスの契約が突然解除される理由は何ですか？

クライアントがフリーランスとの契約を突然解除する背景には、以下のようなケースがあります。

• 納期の遅れが続いた
• 体調不良による無断欠勤・連絡不通
• 品質や業務姿勢に関する信頼の低下
• 契約期間中の報酬や条件交渉の食い違い

もし体調不良で納期に間に合わない場合でも、事前連絡や代替案の提示をすることで、信頼関係を維持しましょう。

フリーランスの体調不良に備えて、安心できる働き方を

フリーランスにとっての体調不良は、単なる風邪であっても生活に大きく影響する重大なことです。

でも大丈夫。収入面の不安やクライアント対応のプレッシャーがある中でも、正しい知識と備えがあれば、少しずつ安心して仕事をこなせるようになります。

• フリーランスは体調不良でも休みにくい現状がある
• だが、長い目で見ると無理は禁物
• クライアントには誠意をもって早めに事情を伝える
• 2024年施行のフリーランス保護法で育児・介護との両立に配慮
• 国民健康保険では傷病手当金がないため、民間保険や貯蓄も検討を
• 長期で働けないリスクに備えて、複数収入源や支出の見直しも有効

「フリーランス×体調不良」というキーワードは誰にとっても他人事ではありません。

心も体も追い込まれる前に、柔軟な働き方と情報収集で、備えておくことが大切ですね。