「このお仕事、ぜひお願いします」と依頼された時、どんなメールを返せばよいのでしょうか?
適切な表現に迷う事もありますよね。
またフリーランスにとって、案件を引き受けるメールは、信頼を左右する重要な第一歩にもなります。
この記事でわかること
- フリーランスが仕事を引き受けるときのメールの基本マナーと流れ
- シーン別の引き受けメールの例文
- 受注後のやり取りや納品時のポイント
- 断りたい・保留したいときの返信例
- 引き受けメールでよくある質問と対処法
例文を見ながら、プロとして信頼されるメール術を身につけていきましょう!
フリーランスが仕事を引き受ける時、メールの基本マナーと流れ
フリーランスとして仕事を受ける際、ビジネスマナーを守りつつ、スムーズに信頼関係を築くためには?
まずは、流れと注意点をおさえておいてください。 (メール例文が先に見たい方はここからジャンプ!)
- 案件を引き受ける流れ
- マナーと注意点
- より良い返信のタイミング
案件を引き受ける際の基本的な流れ
仕事の引き受けは「ただOKする」だけではありません。
信頼されるフリーランスとして、以下のような段取りを意識して対応しましょう。
- step1依頼内容の確認仕事内容、納期、報酬、使用用途、ボリュームなどをしっかり確認します。あいまいな場合は質問を返しましょう。
- step2引き受け可能かどうか判断スケジュールやスキルの都合で対応可能か判断します。無理に受けるとトラブルのもとに。
- step3お引き受けの返信(メール or DM)今回の記事の本題ですね。引き受ける旨を、丁寧かつ迅速に返答します。初回のやり取りでは名乗りや簡単な自己紹介も添えると親切です。
- step4契約条件の確認・同意業務委託契約書や発注書のやり取りがある場合は、きちんと内容を読み、納得してから進めましょう。
- step5着手・納品スケジュールのすり合わせ「◯日までに初稿提出します」など、今後の進行を共有しておくと安心されます。
- step6納品完了・ご挨拶最後まで丁寧な対応を心がけて、継続案件などに繋げましょう。
この一連の流れを押さえておけば、余計な誤解やすれ違いを防ぐことができますよ。
メールで押さえるべきマナーと注意点
メールの文面は、丁寧さと誠実さが伝わるかどうかがカギ。
特に初回は失礼のない対応が信頼に直結するため、以下のことに気を付けて作成しましょう。
- 件名は簡潔に
- 宛名、挨拶は省略しない
- 本文も分かりやすく敬意をもって
- 誤字脱字
- 署名をつける
件名はわかりやすく簡潔に
「【案件引き受けのご連絡】◯◯の件について」など、具体的で簡潔になるように工夫しましょう。
宛名・挨拶は省略しない
「◯◯様 いつもお世話になっております。フリーランスの〇〇です。」など、基本的な挨拶は丁寧に行いましょう。
ただ、相手に合わせて臨機応変にフランクな表現を使う事も、時には必要ですよ。
本文も簡潔&敬意をもって
文章が長すぎると読みづらいため、要点を簡潔にしつつ丁寧な言い回しを心がけましょう。
箇条書きなどが適切に使われていると、可読性がUPしやすいです。
誤字脱字に注意
フリーランスは「信頼がすべて」。
誤字脱字は「雑な人」という印象につながる可能性もあるため、送信前に必ず見直して下さいね。
署名をつける
メールでは、名前・屋号・連絡先などが入った署名を添えることで、きちんと感が出ますね。
ただし、チャットなどでは不要な場合が多いでしょう。
返信はいつまでに?タイミングの目安
仕事の依頼が来た際、「返信スピード=信頼度」と捉えられることも多くあります。
基本的には、遅くとも24時間以内に返信が常識。
特に初めてのクライアントからの連絡には、早ければ早いほど好印象です。
内容を精査する時間が必要な場合には、「確認の上、明日〇時までに改めてご連絡いたします」など、ワンクッションの連絡を入れればOKです。
もし返信が遅れてしまった場合には、謝罪のひとことを添えることで、さらに誠意が伝わるでしょう。

「外出しており、お返事が遅くなりました。申し訳ございません。」など、さらっと理由を添えるのも良いですよ。
失礼なく誠意が伝わる!引き受けメール・チャット・DMの例文5選
さてそれでは、フリーランスが仕事を引き受ける際の、メール例文をケースごとにご紹介します。
- フリーランスが仕事を引き受ける際の基本テンプレ
- 法人相手など、かしこまったメールの例
- イラストやデザインなどクリエイティブ系のメール例
- クラウドソーシングでのチャット返信例
- SNSのDMに対する返信例
フリーランスとして仕事を引き受けるとき、メールが誠実なものかどうかで、今後の信頼関係も変わってきますから、ぜひ以下を参考にしてください。
1. 基本的な引き受けメールのテンプレート
フリーランスが仕事を引き受ける際の、オーソドックスで汎用性の高いメールテンプレートです。初めてのお取引や軽い案件にも対応できます。
件名:○○(案件)のご依頼の件、承知いたしました
◯◯様
お世話になっております。
△△と申します。
このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございます。
内容を確認し、ぜひ承りたくご連絡差し上げました。
◯◯(納期・報酬などの条件)につきましても、問題ございません。
今後の進行について、お手すきの際にご指示いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――――――
△△(名前・屋号)
メールアドレス:
ポートフォリオURL(あれば)
――――――――――――――
2. 目上の方・法人相手への丁寧なパターン
大手企業や目上の方とのやり取りでは、より丁寧で格式のある表現を用いると印象が良くなります。
件名:【ご依頼案件の受諾】○○(案件名)につきまして
◯◯株式会社 ◯◯様
大変お世話になっております。
フリーランスで◯◯業をしております、△△と申します。
この度は○○(案件名)のご依頼を頂き、誠にありがとうございます。
ご依頼内容を拝見しました。
納期およびご提示いただいた条件で問題ございません。
謹んでお引き受けいたします。
つきましては○○につきまして、以下2点お伺いさせてください。
・具体的な疑問点を質問する
・なければここは書かなくてOK
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――――――
△△(名前・屋号)
メールアドレス:
電話番号:
――――――――――――――
3. イラストやデザインなどクリエイティブ案件の場合
絵やデザインの仕事では、ややカジュアルで親しみのあるトーンが好まれることも。
個人の依頼主にも対応しやすい文章例です。
件名:イラストのご依頼について(お引き受けのご連絡)◯◯様
ご依頼いただきありがとうございます。
イラストレーターの△△です。
内容を確認いたしました。
スケジュール的にも問題なく、ぜひ制作させて頂けたらと思います!
ラフ提出の目安としては◯日頃を予定していますが、お急ぎの場合はご連絡ください。
制作にあたって、○○などはお決まりでしょうか?
ご返信お待ちしております!
――――――――――――――
△△(名前/SNSやポートフォリオURL)
――――――――――――――
4. クラウドソーシングでのチャット返信例
クラウドソーシングでは、丁寧且つ簡潔な文章が好まれやすいでしょう。
○○様
この度は、採用頂き誠にありがとうございます。
改めまして、△△と申します。
ぜひお力になれれば嬉しく思います。
初稿作成完了次第、ご連絡差し上げますので、○○日を目安にしばらくお待ちくださいませ。
どうぞよろしくお願い致します。
△△
Instagram・X(旧Twitter)DMでの返信例
SNS経由での依頼には、丁寧ながらもカジュアルさを保った短文が効果的です。
形式張りすぎず、誠意を込めて返しましょう。
DM返信例(Instagram/X)
はじめまして、△△と申します。
このたびはご依頼ありがとうございます!
ぜひ対応させていただきます☺️
詳細は追ってご連絡致しますね。どうぞよろしくお願いいたします!
DMでは相手との距離感を考慮して、丁寧語をベースに、やや柔らかい表現を意識すると良いですね。
受注後のやりとり|納品までの流れとポイント
フリーランスとして仕事を引き受けたあとは、いよいよ制作・作業のスタート!とはいえ、納品まで“メール1本で終わり”というわけにはいきません。
- 途中で連絡すべきメール内容とタイミング
- 納品メールの例文・注意点
ここでは、案件を引き受けるメールの他、納品までに必要な連絡について、メール例文や注意点をお伝えします。
途中で連絡すべき内容とタイミング
フリーランスが信用されるポイントの1つは、進捗状況の報告が適切かどうかです。
以下のような場面では、こちらからこまめに連絡を入れるのがベストと言えるでしょう。
タイミング | 内容 | 目的 |
---|---|---|
作成内容の擦り合わせ直後 | 確認が完了し、作成に入る旨の一報 | 誠実な印象を与える |
作業開始から数日後、中間地点 | 現在の進捗報告・ラフ案の送付など | ズレがないか早期に確認できる また、納期まで日数がかかる作業では、相手に不安を与えない備えになる |
想定外のトラブル発生時 | 遅延や方向性のズレが生じそうな場合 | 事前連絡で信頼低下を防ぐ |
完成直前 | 「予定通り納品できそうです」など | 安心感を与える・心づもりを促す |
特に納期ギリギリにいきなり納品されるより、途中経過を共有してもらえるほうが、依頼主も安心できますよね。
納品メールの例文と注意点
納品メールでは、丁寧さ・わかりやすさ・データの確認方法の3つを意識しましょう。
件名:【納品のご連絡】◯◯の件について
◯◯様
お世話になっております。
ご依頼いただいておりました◯◯の件につきまして、データが完成いたしましたので、納品させていただきます。
下記よりご確認いただけますと幸いです。
▼納品ファイル(Googleドライブ/zip等)
◯◯_納品日.zip
※パスワードは別メールでお送りします。
ご確認いただき、ご不明点や修正等ございましたらお気軽にお知らせください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
△△
メール本文はこれでOK。
そして、納品メールの送信前には、以下のような注意点もおさえておいて。
- 添付ファイルは誤送信防止のために確認を2回以上
- データ形式やファイル名は事前に合意しておくと安心
- 納品後の修正対応について触れておくと丁寧な印象に
仕事を引き受けるか迷ったときはどうする?断り方のコツ
フリーランスにとって、すべての案件を引き受けるのは難しいこともありますよね。
報酬や納期、仕事内容など、条件によっては悩んでしまう場面も。
- 引き受けるか迷ったときの判断基準
- やむを得ず断るときの丁寧なメール例
- 即答できないときの「保留メール」例文
ここでは、そんなときの考え方や丁寧な断り方、保留したい場合の返信方法について解説します。
引き受けるか迷った時の考え方
仕事を引き受けるかどうか迷ったときは、以下のポイントを軸に冷静に判断しましょう。
- 納期に無理がないか(スケジュールの余裕があるか)
- 報酬が労力に見合っているか
- 自分の得意分野・実績になる内容か
- クライアントとのやりとりに不安がないか
フリーランスは体調管理や時間管理も仕事のうちですから、無理して受けすぎると信頼を落としかねません。
「今はスケジュール的に厳しい」「報酬が見合わない」と感じた場合は、無理に受けない選択も必要です。

断る勇気も大事にしてくださいね。
断る場合の丁寧な返信例
お断りする場合も、感謝の気持ちと誠意を込めることで印象が悪くならず、次につながる可能性も残せます。
以下が、丁寧な断り方のメール例文です。
件名:お仕事のご依頼について
〇〇様
お世話になっております。フリーランスの〇〇です。
このたびは○○のご依頼をいただき、誠にありがとうございます。
せっかくお声がけいただいたのですが、現在他案件との兼ね合いにより、納期に間に合わせることが難しい状況です。
大変心苦しいのですが、今回はお引き受けができかねます。
また機会がございましたら、ぜひご連絡いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
△△(名前)
あくまで「状況的に難しい」と伝えるのがポイント。
「お断り=関係終了」ではなく、未来の機会を大切にできる文面にしておきましょう。
保留にしたいときの返信例
まだスケジュールが確定していない場合や、内容を確認してから判断したい場合は、即答せずに丁寧に保留する選択肢も有効です。
件名:ご依頼の件について
〇〇様
お世話になっております。フリーランスの〇〇です。
このたびはご依頼のご連絡をいただき、ありがとうございます。
現在スケジュールの確認をしており、少々お時間を頂けますでしょうか?
〇日までにはお返事をさせていただければと存じます。
ご都合が合わなければお知らせくださいませ。
何卒よろしくお願いいたします。
〇〇(名前)
「いつまでに返事をするか」を明示することで、相手も対応しやすくなります。
保留する際も、曖昧な表現は避け、誠実な印象を心がけましょう。
フリーランスの引き受けメールでよくある質問と答え
フリーランスが仕事を引き受ける際のメール対応について、その他の疑問や不安についても分かりやすくまとめました。
- 「お引き受けいたします」と「お引き受けさせて頂きます」
- 返信が来ないときの対処法
- SNSでの依頼対応はDMかメールか
ひとつずつ簡潔に解説していきます!
「お引き受けいたします」と「お引き受けさせて頂きます」どちらが正しい?
より適切なのは「お引き受けいたします」です。
「お引き受けさせて頂きます」は二重敬語とまでは言えないものの、ややくどく感じられることもあります。
また、「喜んでお引き受けいたします」などとすると、さらに印象が良くなりますね。
クライアントからの返信が来ないときはどうする?
2〜3営業日経っても連絡がない場合は、丁寧なリマインドメールを1通送ってみましょう。
件名は「ご確認のお願い」など控えめな表現にし、本文では「先日お送りした件について、ご確認いただけましたら幸いです」といった柔らかい言い回しを使いましょう。
しつこすぎず、相手にプレッシャーを与えない配慮が大切です。
SNSからの依頼は、DMのままやり取りすべき?メールにすべき?
基本的には、正式な仕事のやり取りはメールに移行するのが望ましいです。
InstagramやX(旧Twitter)など、SNS経由で依頼を受ける機会も増えていますが、DMは通知が埋もれやすく、履歴も管理しづらいため、できればメールがおすすめ。
「お手数ですが、今後の詳細なやりとりはメールでお願いできますでしょうか?」と丁寧に伝えて。その一言で、信頼感とプロ意識が伝わります。
メールが断られた場合や、フランクなやり取りを好まれる場合には、そのままSNSのDMでも良いでしょう。
まとめ|フリーランスが仕事を引き受けるメールは信頼構築の第一歩
フリーランスにとって、仕事を引き受ける際のメールは単なる連絡手段ではなく、信頼関係を築く大切なスタート地点です。
仕事を引き受ける時のメールで、重要なポイントをおさらいすると…
今回のまとめ
- 引き受けメールでは、感謝・意思表示・確認事項を丁寧に伝える
- 返信のタイミングは、早い方が好印象
- 用途・相手に応じて、文面のトーンや表現を調整する
- 受注後のやりとりや納品メールも丁寧な対応を忘れずに
- 断るときや保留にしたいときも、誠意ある返信が信頼を守るカギ
- 「お引き受けさせて頂きます」はおすすめしない
でした。ぜひ参考にしてみて下さいね。
ひとつひとつのやりとりを丁寧に重ねて、信頼されるフリーランスを目指していきましょう。